白山陶器

白山陶器
時代を超えた定番のうつわ
「白山陶器」
白山陶器を知らない人でも、このG型しょうゆさしを目にしたことのある人は多いのではないでしょうか。
持ちやすく工夫された上部のくびれ、注ぐ量の調節ができるように開けられた蓋の穴、液だれしにくいよう考えられた緩やかなカーブを描く注ぎ口。
白山陶器は高い機能性と無駄のない新しいデザインの両方を兼ね備えたものをたくさん生み出しています。

白山陶器の歩み

白山陶器のうつわは、長崎県の波佐見という小さな焼きものの街でつくり出されています。
400年の歴史をもつ波佐見焼を、現代風かつ機能的なデザインで製品化している白山陶器は、1951年に有限会社白山製陶所、そして1958年には白山陶器株式会社が設立され今日に至ります。

日常の暮らしにおける白山陶器のデザイン

“使う人にとって使いやすいもの”、“生活の中になじむもの”であるということが、白山陶器にとっての器づくりの原点です。
“華美ではなく、かといって平凡でもなく、使っていて飽きの来ないデザイン” という考えのもと、器における生活機能をどう高めていくか、使う人の愛着にどう応えていくか、という視点を大切にしており、人々がその器を使う生活シーンをイメージするところから初めて白山陶器のデザインや品質は生まれてきます。
そのようにして生まれてきた白山陶器の器は、グッドデサイン賞やロングライフデザイン賞など数多く受賞しています。

森正洋と白山陶器

日本を代表するプロダクトデザイナー森正洋は1956年に白山陶器に入社。社員デザイナーとして約20年間過ごし、その後は惜しくも2005年11月に亡くなるまで白山陶器の顧問デザイナーを務めていました。
森正洋の代表的な作品は、やはり白山陶器に入社2年後には発表していたという、上の写真でも紹介した1961年グッドデサイン賞受賞の白山陶器G型しょうゆさしではないでしょうか。
それまで、他の波佐見地区の製作所と同じく茶碗を中心とした生産を主流としていた白山陶器で、なぜ森正洋はしょうゆさしに着目したかというと、小さな商品は焼成時に窯の隙間に入れることができ、生産効率がよいと考えたからです。それをデザインという手段で提案したのです。
このように、森正洋は独自の発想や技術を使い、G型しょうゆさし以外にも量産向けの作品を数多く残しています。
さらには、デザイン開発以外にも、商品化するための釉薬や絵の具の開発、生産現場である工場の環境整備なども行い、技術開発と生産環境の調整にも力をいれ、白山陶器を築き上げてきました。
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白山陶器の現在

現在の白山陶器では、森正洋の手掛けたロングライフ商品はもちろん、森正洋の志を受け継いだ後進のデザイナーたちによる商品の評価もさらに高まってきています。
今後も白山陶器から、どんな暮らしにやさしいデザインの器たちが生まれてくるか楽しみです。

白山陶器の商品一覧